「今日は晴れて良かったわ、見て、この空!」
「うん。何でこんなに青いんだろう?いったい何処まであるんだろう?」
「そんなの知らないわ。きっと賢者さまならご存知よ。」
「僕は、賢者さまよりリンドのおばあちゃんのほうが物知りだと思う。」
「ふふ、アヌクばあちゃんにそう言ったらタルトくらい作ってもらえるかもね?」
「そうだ、野いちごを摘んで帰ろうよ。カゴいっぱいにさ!きっと喜ぶよ。」
目を閉じると……不思議だな。瞼の裏、いつも赤い。
だけど、いつか死んだら、この空みたいに青く見えるような気がする。
僕はそのとき、きっとこんな青を思い浮かべる気がする……。
本編【完】